早稲田建築合同クラス会2013のご報告

 

講演会

 10月26日(土)に「早稲田建築合同クラス会2013」が盛大に行われました。 ちょうど前日から当日にかけて、台風が東京に接近するというハプニングもありましたが、 無事開催することができました。雨の中ご来場いただいた皆様には、心より御礼申し上げます。

 第1部では、早大中谷礼仁教授の進行により『あなたは10年後日本で働いていますか?』 というテーマで、円卓会議が行われました。会場では開演前から建築業界の動向を示す資料と共に、 伊東豊雄建築設計事務所バルセロナオフィス勤務の小針修一氏から届いたビデオレターが流されました。 パネラーには、オランダで設計事務所を主宰されている吉良森子氏、ブルガリアで設計事務所を主宰されている山崎揚史氏、 Arupロンドン本社を経て東京事務所でファサードコンサルティングをされている佐々木仁氏、 日本設計で仏大使館建替計画のプロジェクトマネジメント等をされている小坂幹氏の4名をお迎えしました。

吉良森子氏

山崎揚史氏

佐々木仁氏

小坂幹氏

 円卓会議では、最初にパネラーの方々にイメージ画像を使って、海外や日本での経験をもとにプレゼンしていただきました。 その後コメンテーターの早大高口洋人教授より、どういう経験をしていれば10年後に役立つのか、 学生など若い方へのメッセージを、という提案をいただき、活発な意見交換がされました。

 まず山崎さんから、自分の中に自分なりの歴史観をもつということが重要ではないか、 という根源的なお話がありました。吉良さんも、景気が良かろうが悪かろうが、 自分の定点を持つことが大事だと感じていらっしゃるとのこと。 お二人ともヨーロッパでリーマンショックを経験されて大変だったようですが、 作品について考える時間が増えたという良い側面もあるそうです 。 さらに、グローバル企業で働いている佐々木さんからは、国や時代によってゲームのルールは変わる、 どの国の人でも理解できる基本的な原理原則から考えることが重要ではないか、というご意見がでました。 日本の中で外国のクライアントと仕事をしている小坂さんは、実務では、 動きのあるいろいろな要素を短時間でまとめる能力が必要であるとのご意見でした。 ニューヨークの設計事務所で働いた経験がある、コメンテーターの明大田中友章教授からは、 語学ができるというのは前提でしかなく、未知なことに出会った時に、 しっかり向き合うことのできるコミュニケーション能力が大切だというお話をいただきました。 つまり流動的な世の中で海外でも通用する建築家になるためには、 歴史感をもつことが重要であるということ、企業に入ってグローバルに働くには、 世界の人とコミュニケーションできる技術力や構築力を備える必要がある、という二つの方向性が示されました。

高口洋人教授

田中友章教授

 円卓会議終了後、昨年大ヒットした映画「テルマエロマエ」の映画監督、武内英樹氏がサプライズゲストとして登場しました。 合同クラス会幹事長の石川修次氏が進行役となり、映画を通したものつくりのあり方についてお話いただきました。 あえてCGではなく、洗濯機と人形を使ってアナログに撮ったシーン、「テルマエロマエ」パート2をブルガリアで撮影した際の苦労話など、 舞台裏の貴重なエピソードを伺うことができました。 ブルガリア在住の山崎さんや中川教授を始め、会場の皆さんからも多くの質問をいただき、 大変にぎやかな講演会となりました。

武内英樹氏と石川修次氏

 第2部の懇親会では、150名以上の方々にお集まりいただきました。会場には、設計演習B (旧設計実習A=2年生の選択科目)の中から1975、1984、1998、2012年度の優秀作品をパネル展示し、 モニターでも映像を流しました。各支部から差し入れていただいたお酒や名産品は、 会の終了時にはすべてなくなるほどの盛況でした。最後の校歌斉唱は、学生の齊藤千紗さんにリードしていただいて、 和やかな雰囲気で合同クラス会2013を終えることができました。チケットをご購入いただいた方々ならびに、 合同クラス会にご理解ご協力をいただいた皆様、本当にありがとうございました。

設計演習B

各支部の名産品

懇親会1

校歌斉唱

懇親会2

― 早稲田建築合同クラス会2013 実行委員会一同 ―

 

 

早稲田建築合同クラス会2013のご案内

 

チケット

 

□ 開催日:2013年10月26日(土)

□ 第1部 円卓討論会『10年後、あなたは日本で働いていますか?』
 進行役:中谷礼仁(早稲田大学教授)
 プレゼンター :吉良森子(建築家・在オランダ)
         小坂幹 (日本設計)
         佐々木仁(Arup)
         山崎揚史(建築家・在ブルガリア)
 コメンテーター:高口洋人(早稲田大学教授)
         田中友章(明治大学教授)
  時間:14:00~16:00
  場所:理工キャンパス 57号館 201号教室
  参加費:無料

□ 第2部 懇親会
  時間:16:30~18:00
  場所:レストラン「馬車道」(理工キャンパス 63号館 1F)
  参加費:3,000円/チケット
      学生無料、上記チケットにてご家族同伴無料
      支払方法は、事前振込/当日支払、いずれも可

□ 問合せ先:合同クラス会2013実行委員会(苗S62)
       石川修次 waseda2013arch@gmail.com

□ 振込先:みずほ銀行 東陽町支店 店番号 670 口座番号 1232591
      早大建築合同クラス会2013

*振り込みに際しては、氏名(フルネーム)+卒業年をご入力いただくよう
 お願い致します。ご入金いただいた方には、当日受付にてチケットを引換さ
 せていただきます。

 

手紙

 

□ 講演案内

第1部 円卓討論会『10年後、あなたは日本で働いていますか?』
(14:00~ 理工キャンパス57号館201号教室)

あなたにとって「グローバル」とは?「日本」とは?
さまざまな分野でグローバル化が進み、世界中に仕事が分散される時代になりました。
建築業界においても、グローバル化の影響を受け続けることは必須ではないでしょうか。

今年の円卓討論会(ラウンドテーブル)では、過去-現在―未来の3つの時間軸で、
海外と日本の両面から日本の建築業界を眺めてみることにしました。
パネラーには、稲門OB/OGの中から、海外で活躍されている方々だけでなく、
国内で海外に係わる仕事をされている方々をお迎えし、イメージを交えながら討論します。
果たして10年後の建築業界の景色はどのように変わっているのか?
そもそも建築業そのものが既存の枠内におさまっているのか?
それとも大変革を遂げているのか?はたまた、我々に働く機会は用意されているのか?
会場からの飛び入り議論も大歓迎です。
進行は、中谷礼仁教授にお願いしています。

第一部サプライズゲストとして、昨年大ヒットした映画「テルマエロマエ」の監督
武内英樹氏(早大卒)をお迎えし、お話をお伺いする予定です。
(現在ドラマ・映画撮影でご多忙なため、当日都合がつかなくなった場合は、ご容赦
ください。)

 

第2部 懇親会サブイベント『設計演習(旧設計実習)今昔物語』
(16:30~ 理工キャンパス63号館1階「馬車道」)

場所を、懇親会場 レストラン「馬車道」(理工キャンパス63号館1F)に移して、
設計演習B(旧設計実習A=2年生の選択科目)の優秀作品について、現在と過去
4つの時代を切り取って会場にパネル 展示し、その持続と変化について俯瞰します。
(75、84、98、2012年度の作品を展示予定。その時2年生だった、あなたの作品が
展示されているかも?)

 

― 早稲田建築合同クラス会2013 実行委員会一同 ―